はじめて長浜曳山まつりに出会った。わたしは阪神間の小さな村やしろの老神主である。自社の祭礼を斎行すれども他社の祭りをじっくり見物する機会にはあまり恵まれない。今度、長浜在住の妻の友人に紹介され、妻といっしょに初見物となった。カラクリ人形が舞台で動く程度のイメージしか持っていなかったわたしは、この祭りの曳山の豪華さ、祭りを支える多くの地域住民の力の結集、THE KABUKI PLAYED BY BOYS(こども歌舞伎)の可憐とおかしみ、氏神八幡宮の境内の松樹のみごとさ、曳山巡行にしたがって歩く人々の多さ、羽織袴の正装で参加する男衆の立ち姿、幟を吹く春風、アーケード街を練る曳山、子供らの歓声…。ことごとくが「祭りだなぁ」という感嘆となって、わたしを包み込む。
わたしの拙いスナップ写真が、この感動を少しでも伝えることができればとおもう。
日本の民俗文化はまだまだ捨てたものではないな、という感想を持った1泊2日の旅であった。